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【JOCVインタビュー】長谷川大起さん(2023-2)~ウガンダの農村で過ごしたかけがえのない2年間~

  • 2月4日
  • 読了時間: 8分

JICA海外協力隊(JOCV)、コミュニティ開発隊員としてウガンダに派遣され、2025年10月に2年間の任期を満了し、帰国された長谷川 大起(はせがわ だいき)さん(以下、長谷川JV)。

取材班は帰国直前の2025年9月に長谷川JVの任地を訪問し、2年間の活動を振り返って、農村での日々の生活や活動の楽しさ、苦労について伺いました。

 


一緒に活動していたコメ農家のジョージさんと 収穫後の写真
一緒に活動していたコメ農家のジョージさんと 収穫後の写真
Profile

長谷川 大起(はせがわ だいき)

Batch:2023年2次隊

Field: コミュニティ開発

Assignment location:ブギリ県ナンコマ

ササカワ・アフリカ財団(SAA)に派遣され、当該地初代隊員として農家さんへのコメ・野菜の栽培技術支援や、女性グループと一緒に石けんビジネスを実施。


石鹸ビジネスについて

女性グループと収入向上を目的とした石けんビジネスを行なっています。



石けんのフレーバーは全 3種類あります。

・マライセンス(シュガーケーンの残債)

・ハイビスカス

・ジャンスビ(レモングラスのような)


長方形の箱型で作成しており、6個6,000〜7,000 (約240~280円) UGXのコストがかかり、それを1個4,000UGX (約160円)で販売しています。


【石けんレシピ】

(1)苛性ソーダと水を混ぜるとホットになる→冷たくなるのを待つ

(2)クッキングオイルとパームオイルを混ぜて30分振り続ける

(3)香り付けして型に入れて2日待つ

(4)小分けにして1ヶ月乾かす

香り付けは最初と最後に足すのと2パターン混ぜてある



石鹸ビジネスを通して、いくらコストがかかって、いくらで何個売るといくら手元に残るのか、プラクティカルに家計管理やお金の管理を学んでほしいという思いでサポートをしていた長谷川JV。彼女たちに寄り添い、信頼関係で結ばれている姿には、心からの尊敬とともにとても温かい気持ちになりました。「機械などはないので30分ジェリカン(写真にある黄色い容器)をみんなで振り続けるんです。」と話してくださった彼の笑顔には、物がなくても工夫して生活を営んでいる現地の人々と同じ逞しさを感じました。


一緒に活動をしている方々に、長谷川JVの印象をお聞きしました。

農家ワイスワーさん(写真左)

──長谷川JVとの1番思い出に残っていることは?

「彼はとても真面目な青年でした。コメの圃場についてのアドバイスもくれたり、いつもプラクティカルに教えてくれました。お互いに学び合い、自分が言ったことも一回で学んでくれる勉強熱心な人でした。時々ポケットマネーからサポートもしてくれました。最初は地域の農民からは中国から土地を買い占めに来た奴だと思われていましたが、彼の人柄にみんな心を開いていきました。ウガンダの男性は女性を助けたがらないこともあるが、長谷川JVは彼女たちの権利を尊重し、石鹸作りのグループを集めてIGA(収入向上)をサポートしてくれました。彼の活動には本当に感謝しています。」


村で顔が広く、英語も話せるワイスワーさん。長谷川JVは、任地に溶け込み活動を一緒に行う上でも、農民との関係を構築していく上でも彼はキーパーソンであり、彼との出会いが自分の2年間の活動を大きく支えてくれたと話してくださいました。

ワイスワーさんにコメの収穫状況を聞き取りしている長谷川JV
ワイスワーさんにコメの収穫状況を聞き取りしている長谷川JV

石鹸ビジネスを一緒に行っていた女性たち
石鹸ビジネスを一緒に行っていた女性たち

ハワさん(写真一番右)

「彼はリッチじゃないのにいつも農家たちを助けてくれました。たくさんのことをしてくれました。来てすぐの頃は、地域の人に刑務所から抜け出した中国人だと思われていましたが、長谷川JVは何をしに来たのかを丁寧に説明してくれ、土を耕したり、時に種子をくれたり、一緒にたくさんの活動をしてくれました。彼との別れはとても寂しい。また帰ってきてほしい。」

 

ハワさんは長谷川JVと活動する際にはよくご飯をご馳走してくださっていたようで、取材に伺った際にもハワさんは取材班をご自宅に招待してくださり、ご飯を振る舞ってくださいました。インタビュー時も涙ぐんでお話ししてくださり、長谷川JVがみなさんにとても愛されていたことを強く実感しました。

 

ヘレンさん(写真一番左)

「彼とは私たちの言語でガールズトークをたくさんしました。彼は良き友人でgoodムソメサ(先生)でした。」



ナンコマはソガ族の地域で、言語は主にソガ語を話しています。長谷川JVはソガ語の辞書をいつも持ち歩き、住民との会話の中でソガ語を学び、ソガ語でコミュニケーションを取るように心がけていました。ウガンダの隊員連絡所などで長谷川JVにお会いした際に、よくニャボ(ウガンダの女性を指す言葉)たちとのガールズトークのお話を伺っていましたが、今回実際に取材班も混ぜてもらい、みんなで笑い合い、とても楽しい時間を過ごすことができました。


長谷川JVに活動についてお聞きしました

──この2年間、楽しかったことやどんな苦労がありましたか?

「基本楽しかったです!農家のみなさんと一緒に何かをするのはとても楽しい。信頼関係を築くまでは大変でしたが、その後は本当に楽しかったです。一緒にコメや野菜を収穫し、いっぱい収穫できた時、農家さんが喜んでいるのを見ると自分もとても嬉しかったです。現地語には苦労しましたが、現地語でコミュニケーションが取れるようになってより楽しかったです。最初の半年は誘われたら断らないことを意識していました。最初は怪しい中国人・ムズング(外国人)が何しに来たんだ、鍬も使えなくて機械でしか作業しないだろうって思われていたので、意識して圃場に出るようにしていて、お昼はみんなで薪集めてご飯食べ、現地の人と一緒に過ごす時間を大切にしていました。その部分を現地の人も見てくれていて、たくさん助けてもらいました。」

 

「苦労した点では、農業は天気に振り回されたのが大変でした。大学で農業は学んでいましたが、ウガンダに来てさらに現地のことを学びました。自分にとっては当たり前なことも彼らにとっては新しいことだったりして、ちょっとしたことでも知識の共有に喜んでくれました。ガンダ語(ウガンダの公用語)で農業の勉強ができるサイトがあり、それを農家さんに紹介して一緒に勉強したりしました。ウガンダには農業分野の専門家の方が多くいらっしゃるので、聞いたり、学んだりしたことを農家さんに還元していました。」



── 1日スケジュールを教えてください

 6:30/7:00 〜昼 圃場で農作業

 14:00〜 みんなでご飯

 15:00〜その後片付け農家さんとおしゃべり、他の圃場へ

 配属先でcpと作業報告等

 19:00 帰宅


── お家、生活環境について教えてください

「停電が毎日あり、長くて3日間ずっと停電だったりします。2月はほぼ停電で、電気代がほとんどかからなかったほどです。断水もたまにあり、近所の井戸に水汲みをしに行っていました。買い物は主にタウンかマーケットで、農家さんからお野菜をもらうこともありました。お昼ご飯は農家さんが作ってくれるアカイタ(キャッサバ粉をお湯でこねたやつ)がこの地域ではよく食べられているので、みなさんと一緒に食事をしていました。」



── 任地の良いところはなんですか?

「ブソガ(ソガ人)の人が好きです!明るくてポジティブ、どんな時でも陽気、テンション高いです。停電が多く食の選択肢も少なかったり、物がなかったり、必要な時はジンジャまで出たりと不便な面もありますが、ロケーションも幹線道路に面していて、タウンとビレッジのバランスが良いです。」


 

── 任地でのモチベーションの保ち方は何でしたか?

「家から少しいくと校庭の綺麗な学校あるので、土日行ってリフレッシュしたりしていました。今日はオフの日だと決めたら、家でゆっくりするなどメリハリを意識していました。停電の時はプロジェクターで映画見ると決めていたので、電気がなくてもろうそくで本を読んだり、現地の友達とご飯をたべたりとその環境を楽しんでいました。」


── 国内でのおすすめの場所はありますか?

「ダントツでエルゴン山です!赴任半年で初登山。最初ロープウェイがあると思っていました(笑)。他の隊員と複数名で登ったのでみんなとの仲も深まるし、普段見ることのできないウガンダを見ることができました。またナンコマから近いジンジャは静かなところもたくさんあり、気分転換になりました。カンパラのチャドンドラグビー場のポークジョイントもお気に入りでした。日本人の方や友達のウガンダ人と一緒に20回以上は行っていると思います(笑)。」


── 来た時と帰る時の心境の変化はありましたか?

「一人のボランティアとして出来ることって限られていて、劇的に彼らの生活が変わるわけでもなく、自分の活動は小さいことなんだと感じました。ですが、逆にこういう関わり方(小さいことをコツコツ)が出来るのもボランティアならではの経験だと感じています。彼らにとって少しでも自分と関わったことで良い影響があるといいですね。結果が出たらもちろん嬉しいですが、たとえ出なくても、外国人の自分からなにか少しでもインスパイアされていたら嬉しいです。」


── 最後に、あなたにとってウガンダとは?

「また帰ってきたい場所」です。


取材班からのコメント

ウガンダ人はお別れのシーンが多いようであっさりしている印象があったので、長谷川JVがもうすぐ帰国するという話の時にハワさんが泣いていてびっくりしました。しかしそれと同時に、長谷川JVが赴任当初から農村の生活に溶け込み、一緒に生活していく上での人々との関係づくりを丁寧に積み重ねて来た結果、多くの人々に愛されていた姿を見ることができ、私たちもとても嬉しい気持ちになりました。日頃からコミュニティ開発隊員ならではの生活での苦労や喜びもたくさんお話してくださり、当時のウガンダ隊員の中でも特に現地の人々との交流が盛んで、多くの隊員が長谷川JVからコミュニケーションの取り方や活動について、本当に多くの学びと元気をもらっていました。取材班も石けんをよく購入させていただいていたので、これからも末長く続いていくことを心から願っています。2年間お疲れ様でした!


UG取材班:新井佐和、坂本理怜(2023年4次隊)

写真・文: 新井佐和


 インタビュー日:2025年9月

 

Profile

長谷川 大起(はせがわ だいき)

Batch:2023年2次隊

Field: コミュニティ開発

Assignment location:ブギリ県ナンコマ

ササカワ・アフリカ財団(SAA)に派遣され、当該地初代隊員として農家さんへのコメ・野菜の栽培技術支援や、女性グループと一緒に石けんビジネスを実施。


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